2009年2月14日土曜日
GMSKのガウシアンフィルタ
GMSKで使われるガウシアンフィルタについて調べた。
ガウシアンフィルタとは、インパルス応答がガウシアンであるIIRフィルタである。インパルス入力発生した時刻でガウシアンの中心が出力されるため、入力がないのに出力が生じる非因果的なフィルタである。このようなフィルタは実現できないため、実際には近似が使われている。本来のインパルス応答の時間を遅らせれば、LPFで実現可能な形になる。
The art of analog circuitのガウシアンフィルタの解説ページでは、ChebychefやButterworthはガウシアンに分類され、Besselは除外されることがあると書いてあるが、GMSK用のICであるCMX589では、6次のBesselと思われる周波数応答がデータシートに載っていたことから、実際のところはBesselが使われていると考えて良いのかもしれない。
(GMSKで使われるガウシアンフィルタは、VCOの制御電圧を与えるためにあるため、オーバーシュートが小さい方が好ましいため、過渡応答でオーバーシュート・アンダーシュートのないBesselが好ましいのかもしれない)
フィルタの実現にはOPアンプとRCを使ったアクティブフィルタが使われる。フィルタの設計には、いくつかの決まった形のフィルタをつなげて設計するツールが存在する。Texas Instruments社のFilterPro、Linear Technology社のFilterCAD、National Semiconductor社のWebBenchの他にも、フリーでいろいろなツールが存在する。ただ、大抵は1つのOPアンプで1~2次のフィルタを作り、それをつなげるという方法がとられているため、OPアンプ数を減らしたい場合は独自に計算するしかなさそうである。
GMSKではガウシアンフィルタの形を決めるパラメータにBTがある。CMX589ではBT=0.3または0.5が選択できるようになっている。BTの定義はフィルタのカットオフ周波数(fc や f-3dBと書かれる)のビットレートに対する比で与えられる。従って、9600bpsでBT=0.5としたら、ガウシアンフィルタのカットオフ周波数は4800Hzとなる。
今後は、GMSKに使える6次のBesselフィルタを少ないOPアンプで作れるか検討してみる。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿